コラム
2023.03.23
「転送した場合、加入率はどうなりますか?」
お電話くださったお客様を分析をする上でも、対応したオペレーターを分析する上でも、細心の注意を払う必要があるのが「転送」です。
前回、お話しました通り、共通のコールIDで、異なるシステムのデータは繋がりました。だから、これで大丈夫ですよね?
いいえ、そうとは 言い切れないのが「転送」です。
こちらは、私たちのオペレーション体系図ですが、Class1 は Class2 へ、 Class2 は Class3 へ、上位のオペレーターへと転送する(お客様の対応を 別のオペレーターへ引き継ぐ)ことがあります。
「Class2のAさんから転送を受けた、 Class3のBさんが加入を受付しました。 Class 3のBさんが受付した1件は、Bさんにカウントされますか? 」 |
この問題は、とても複雑なので、答えは簡単には出せません。
転送が絡むケースでは、異なるシステムの間に共通のコールIDが有るかだけでなく、転送した後、そのコールID番号がどう変わるのか 、コールID番号の生成ロジックまで考える必要があるからです。
そして、コールID番号の生成ロジックを確認した結果が、こちらです。
コールIDが繋がっても、転送前後で、コールID番号を生成するロジックが揃っていない場合、それらを繋げると、このような結果になります。
実際に生データを扱ったことのない方は、このような実例を見ても ピンとこないかと思いますので、国語で言い直してみます。
Class2のAさんから転送を受けて、 Class3のBさんが加入を受付しても、 Class3のBさんにはカウントされず、 Class2のAさんに、間違ってカウントされる |
つまり、公平な競争ができる数字にならない、ということです。オ ペレーターは、自分の評価に直結する数字には敏感ですので、うやむやにはできません。データコンシェルジュは、基幹システムに対して、ロジック変更が可能かを確認します。
具体的には、こうして欲しい、とお願いします。
実際、私たちは過去に何度か、ロジックを変更してもらいましたが、最近のシステムでは、転送後のコールIDを2パターン保持していることが 一般的です。
パターン1 転送前と転送後が、同じ番号(001) パターン2 転送前と転送後は、異なる番号(002) |
転送前のオペレーター応対に問題があり、すぐにその通話を特定したい時など、用途によっては、転送後も同じ番号(001)であることが望ましいケースもありますので、転送後のコールIDは2パターンある、と理解できていればよいかと思います。
ただ、 転送が絡むケースの分析が複雑であることに変わりはありません。コンタクトセンターでは、ノンボイスも含めて「転送」という概念からは逃れられないことと思いますので、「転送」の分析が複雑であることに関しては、覚悟を決める必要がありそうです。
次回は、「ID登録は、KPI設計の一部」について、解説します。
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