コラム

COLUMN

2023.02.09

スカパー!のコンタクトセンターを運営する社員ブログ

第5回 毎朝、前日のKPIを自動配信する目的(前半)

こんにちは。
スカパー・カスタマーリレーションズDX推進部 中島です。
コンタクトセンターで、プロダクトマネージャーをしています。
コンタクトセンターアワード2022審査員特別賞について、お話します。

毎朝、数字を見る目的

昨日、何が起きていたのか、センター全体が見えれば、打ち手が分かる。
朝一、前日の状況を把握できていることが、高品質なセンター運営を支えていると、私たちは考えております。

こちらは、私たちのKPIレポートです。

KPI日次レポート

全体を見るポイント

  1. お電話をくださったお客様は何人?予定通り?
  2. お客様をすぐにお繋ぎできた?どのくらい お待たせした?
  3. オペレーター を予定通り配置できた?効率も予定通り?
  4. お客様のお問合せ傾向は、想定通りだった?

各会社ごとに、 KPIに僅かな差はあるかもしれませんが、全体を見るポイントは、教科書に則って、大きな差はないものと思います。

ただ、今見ている数字は、本当に、センター全体を映しているでしょうか。

こちらは、サービスの拡大に伴い担当者が多様化していった概念図です。

サービスの拡大に伴い担当者が多様化していった概念

担当A~Iは、日次レポートを見ています。
自分の担当範囲は、しっかり管理しています。
でも、誰がセンター全体を見ているのでしょうか。 

そもそも、センター全体が見える仕組みに、なっているでしょうか。

数字を見てのアクション

(例)入電が計画以上
 → オペレーターの増席、他業務から受信業務へのスライドを判断

(例)入電が計画以下
 →オペレーターに研修実施、早帰り募集

毎朝、数字を見るのは、人(オペレーター)を動かす為です。
見える範囲が広い方が、打ち手の効果が大きくなるのは明らかですが、
誰かが、意図的に設計しなければ、センター全体が見えないのも事実です。

データ管理のタイムパフォーマンス

設計、と言いましたが、ニュアンスとしては、自分たちの技術力とスピード感を把握して、最も容易にすぐできることを判断するチカラが必要、と言った方が、近いかもしれません。

前回も触れましたように、コンタクトセンター運営に関わるシステム、データ、分析の組合せは無限大 ∞ です。「全体が見えるシステムを開発しなさい」というだけでは、過剰で無用なモノになってしまう。

「導入する各システムには、標準レポートがありますよね?」
はい。もちろん、標準レポートも活用します。

ただ、標準レポートは、どちらかと言うと、現場のSVが、10名前後のオペレーターを管理するのに最適化されているケースが多いので、できることが限定的です。

標準レポートの限界

その為、私たちは、各システムの標準レポートからデータを収集するのではなく、各システムのデータソースから、直接データを自動連携する仕組みにしています。

KPI配信システム

10年前には、こんなことがありました。

当時スカパー!では、電話番号が200 回線以上ありましたが、NTT からデータを取得するには、1回線ずつ、手動でWEBサイトから、ダウンロードする必要がありました。

毎朝、営業開始前までに、200回線以上の電話番号に紐づく、すべての前日データを収集するには、 誰かが毎日2時間かけて、手動で作業するしかない。

「お電話をくださったお客様は何人なのか?」

その全体像を把握する為には必要な作業ですが、その為に、毎日2時間、人がダウンロード作業をする、というのは許容できない。これは機械に任せるべき仕事

10年前はまだ、RPAという言葉はありませんでしたが、今で言うRPAツールを導入して、夜間に機械がダウンロードする仕組みを整えました。

次回、「毎朝、前日のKPIを自動配信する目的(後半)」に、続きます。

 


●コンタクトセンターアワード2022審査員特別賞

『SPCCの成果創出サイクルを支えるシステムと現場の架け橋 ~DX 推進の秘訣はデータ活用の内製チームづくり~』

第1回
システムと現場の架け橋
第2回
架け橋の役割
第3回
架け橋によって実現してきたこと(前半)
第4回
架け橋によって実現してきたこと(後半)
第5回
毎朝、前日のKPIを自動配信する目的(前半)
第6回
毎朝、前日のKPIを自動配信する目的(後半)
第7回
KPIの信用を左右する、ミクロの世界(1/3)
第8回
KPIの信用を左右する、ミクロの世界(2/3)
第9回
KPIの信用を左右する、ミクロの世界(3/3)
第10回
架け橋の成果(最終回)

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