コラム
2025.04.01
いよいよ「感情カルテ」を全国5拠点あるセンターの管理者へ展開しました。
SVの業務を効率化してくれるツールであれば喜んでくれるハズだ! しかし、新しいツールを展開したからといってすぐに活用してくれるSVは少なかった、というのが実態でした。
当たり前です。「オペレータの感情データでSVの業務が効率化できる!」と急に言われても、活用するメリットが把握できておらず、活用シーンが明確ではないと。SVにとっては新しいツールを使わなければならないという負担が増えた感覚になってしまいます。
そのため、全国のSV向けに質問がしやすいよう少人数で感情カルテの説明会を複数回実施しました。
<伝えた内容> ・感情解析データを検証した背景や目的 ・感情データの複雑さ ・これまでの検証内容と結果 ・「感情カルテ」の機能と役割 ・業務での具体的な活用方法
説明会は、とても盛り上がりました!(センター内での説明のため写真で紹介ができず残念です・・・) その理由は、感情解析データに対する期待と自分たちの業務のどの部分が、どのように置き換わるのか具体的なイメージを持ってもらうことができたからだと思います。
そして、徐々に活用する機会が増え、全国のSVから様々な声が届きました。 また、SVの業務が少しずつ変化していった様子をご紹介します。
SVは、朝出勤してきたらまず、当日のスケジュールの確認や、担当するオペレータの状況を確認することが多いです。朝一からフルスピードで・・・。まさに神業です。
もちろん、その素晴らしい業を大切にしたい気持ちはありましたが負担は減らしたいです。 感情カルテ展開後は、短時間でオペレータの状況が確認できるためオペレータをサポートするための情報整理の効率化ができました。
また、感情による自動アラートがSVに届けられるため、デスクワーク中でもお客様が「怒り」の感情が高まったタイミングで即座にモニタリングが開始できます。そして、オペレータの「怒り」や「恐怖」が高まった際も同様です。これは。不適切応対やカスタマーハラスメント入電を予防できる可能性があり、オペレータの心を守れる環境にも繋がっています。
感情カルテにより、改善がみられた数値をお伝えします。
SVは、オペレータがサポートを必要としているタイミングを把握できる機会が増えたことは、ES向上に貢献できると捉えています。また、このような取り組みが離職を抑止できる可能性が高まったと感じています。
SVが応対評価という作業に割いていた時間を減らし、フィードバックの時間を増やす事ができました。 よりオペレータと会話する時間が増えることで、働く環境にも良い影響が出ることが期待できます。
研修内容を動画化し、オペレータがいつでも学び直しができる環境を用意しました。安定した知識定着により保留時間が減少することで、お客様をお待たせするシーンも減少しました。オペレーションミス率も合わせて減少傾向のため、コンタクトセンターの品質安定に効果が見られました。
オペレータとSVの関係性にも変化があったという声も、もらうことができました。 これまでSVは自身で評価した内容でオペレータにフィードバックを行っていましたが、評価に自信が持てないSVや、新任のSVには相当の心の負担になっていたようです。
現在は、感情カルテが示すデータや評価を軸に、オペレータと一緒に「どうしたらもっと良い応対ができるのか」を考えるシーンが増えています。
※「共育者(きょういくしゃ)」は私たちがつくった造語です。 →課題改善に向けて、共に考え、育成をサポートする者
これまでの活動を振り返って、改めて人の感情はとても複雑ですべてをデータで把握することは難しいと実感しています。 しかし、私たちの検証で「できること」は確実にあったと思っています。
今後も、この「できること」の範囲を拡げ、コンタクトセンターで働く仲間のココロを守り、成長をサポートしていきたいと思います。
コラムをお読みいただき、誠にありがとうございました! 引き続き、感情解析データの更なる検証や取り組みをコラムでご紹介していきますので、楽しみにしていてください。
「感情解析でオペレータの ココロを守るセンター運営」
~感情カルテでフォロー・育成の効率化と 応対評価自動化を実現~
<INDEX>
第1回 感情解析導入の背景と目的
第2回 感情解析技術の特徴とメリット
第3回 感情解析データ検証の難しさ
第4回 SPCCの取り組み事例①
第5回 SPCCの取り組み事例②
第6回 「感情カルテ」の誕生
第7回 感情解析によるセンター現場の変化
第8回 スピンオフ① 感情データの実例紹介~モチベーション編~
第9回 スピンオフ② 感情データの実例紹介~お客様満足度編~
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